VO.2 CREATERS INTERVIEW

02:アナログに魅力を感じ、オリジナルが作りたい若い世代を信じて出会いの場所を作らなきゃ。

印鑑というと契約などで必須とはいえ、昨今デジタル化などの流れでその存在意義を問われてきた業界。それなのに、原田晶光堂の周りには一流クリエイター、金融のプロ、さらにはアメリカのプロモーターまでが印鑑と原田晶光堂の魅力を伝えたいと日夜集まり、あれこれと仕掛けをしている。それはなぜだろう?と本人たちと本音トークをしてみました。これを読んで今まで気がつかなかった印鑑の魅力、出会い方、未来の可能性を感じていただければ幸いです。

家安:山下さんと一緒に写真を撮ったり、webを国内外に向けてデザインしてくださっている嶋津さんも若い世代。そして銀行入社2年目の荒川さんも。こんな若い女性お二人にとっての印鑑ってどんな感じですか?

荒川:実はアナログなもの好きなんです。本や新聞も kindle とかよりも紙で読みたいですし、携帯でメモするよりもノートとペンが好きかもですね。印鑑は仕事で使うものは支給されているんですが、自分のものが欲しくて実はずっとここ最近探していました。簡単にその辺で買えるものではなく、材木から選んだり、文字の意味を知ったり、一つ一つ選んで作りたいんです。

原田:印鑑は一生物だもんね。

嶋津:私は小学校の卒業祝いでもらったのがきっかけなんです。和柄の小さな布箱に2本入っていて、その時には深い意味はわかっていなかったかもですが、とてもかわいくて、直感的になんだかとても宝物だと感じ、今も宝物箱に入っています。実際自分も含めて多くの人たちが印鑑のこと、あまりよく知らないのではと。どんな文字があってどんな意味があって材木の種類があってとか。本当は選べるし自分らしいものが作れるのに。

荒川:原田晶光堂の映像を事前に拝見してたんですが、普通印鑑屋さんでこんな映像作らないですよね!SNS やインスタのストーリーでみたら、何これ?って web に絶対アクセスします。大体印鑑のページってどこも同じような必要なことしか書いていませんよね。

家安:映像も用意できているし、SNS もある。もっとそこから買いやすい、一つ一つ選べるんだっていう動線を強化しなければいけないですね、社長。たとえばメガネ屋さんとかもフレームとレンズを選んで金額が出て、みたいに当たり前だけど可視化されていることで買いやすい、選べるんだということが伝わっている。原田晶光堂もそれが必要ですね。通常印鑑って最寄りの店舗で買ったり、WEB で買ったりすることが一般的ですよね。

原田:そうね、元々は各街にあった店舗さんでの購入が一般的で、その後ウエブサービスが拡大しているのが現状。私たちの責任でもあるんだけど、いずれも多くの場合セットで売ってしまっていたりしますからね。選べるっていう価値を伝えきれてないなあ。この旧六郷町の当社に来てくれる人は初めは知らないからなんかパックで買おうかななんて思いつつも、材料とか文字とかケースとか色々選べますってお伝えすると、かなりこだわったものを買って帰られる方ばかりですね。だって印鑑ケースの生地まで選べるんだよ!そう考えると、選んでちゃんと作れることもっと言っていかないとね。

荒川:自分だけのものを作りたい方いっぱいいますよね。

家安:若い世代ほどそのこだわりがあるし、価格や利便性よりも、そのための労力は惜しまない感じがしますね。

原田:印鑑が売れない時代が続いてしまって、どこか売る方も「どうせ若い人なんて印鑑を作らない」とか「高額なものは売れない」って決めつけてしまっていたのかもしれなくて、自分達がいいものだと信じ、いいものを提供したいっていう心構えを店づくりに生かしきれてないかもしれないなと。

家安:接点は SNS だったりするかもしれませんが、社長や印鑑との出会いや作るプロセスは人と人のアナログな良さを大切にしていきたいですね。

 

 

盛り上がってきました。まだまだ続きます。




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03:手間暇が人の魅力を作るんだよ。Genjimetalの価値ってそこじゃない?

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07: Epilogue 印鑑の周りに集まる趣味人たちの共通した答え。あたりまえなものほど美しい。